Itotty

チャンシルさんには福が多いねのItottyのレビュー・感想・評価

4.0
40歳、独身、元映画プロデューサー、現家政婦。
そんなチャンシルさんの人生問答。

個人的に1番面白かったのは、先日見たエンドロールのつづきでも触れられていた小津監督が物語に出てきたこと。
チャンシルさん、そして多分本作の監督さんは小津監督が好きなんだろう。自分は残念ながら見たことないけど、愛を感じた。
本作では、小津監督の作品はストーリーに起伏があまりないということだったけど、この映画もまさにその通り。派手なことは何も起きない。
でもだからこそチャンシルさんの心の動きが味わい深くなる。
チャンシルさんのいる世界が愛おしくなる。

あと、本作は嫌な人が1人も出てこない。
現実味がないと批判されるかもしれないが、それもチャンシルさんの人徳と捉えたら、結婚や子育てや世間一般の幸せというものが得られなくても、自分だけの大切な人、自分にとっての大事な人がいれば幸せなのだなと思わせてくれる。
現実的ではないかもしれないけど不可能じゃない。
どんな人だって福多く生きることは不可能じゃないと思う。
そして、誰であれ、自分の本音を語れるような人がいることはやっぱり素敵だなと思った。
それが、片思いの相手であれ、大家さんであれ、幽霊のレスリーチャンであっても。


そんな雰囲気な映画なものだから、映画の大半は眠くなりながら見た。
あったかい布団に包まれてるような気持ち。
そう思うと、眠くなることはつまらないということでもない。
確かに私は心地よい気持ちを感じていた。



※本作はTwitterで、この世界は素晴らしいって感じられる作品を教えて欲しいとつぶやいたところ、教えてもらった作品でした。
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