ブロードウェイと銃弾のNakaoのレビュー・感想・評価

ウディ・アレン 監督作。
アメリカこそが“芸術”の最先端かつ最高峰だった狂騒の20年代。古き良きノスタルジーとマフィアが同居するNYを舞台に新人劇作家がブロードウェイデビューを勝ち取り舞台を作り上げてくまでを描いた内幕コメディ。「ラヂオの時間」が好きな人は合いそう。

マフィアボスの愛人とその用心棒、落ちぶれたかつてのスター、神経質で過食癖の男優、空気の読めない陽気すぎる女優etc
トラブルしか起きない状況下で舞台を作り上げようとする主人公の奔走とウディアレン らしいお洒落な会話劇が本当に楽しい。いい映画観たなぁという充実感が堪らなかった。

人間誰しも「自分は特別な人間だ」と思いたいが、大半は才能が無く凡人だと気づいていく。けれども、それに気づいた時こそ本当に大切な物を知る事ができるのだ。逆に言えば、これまで気づかなかった隠れた才能が誰にもあって、時には才能に溺れて破滅していく。メッセージ性も良かった。

• #芸術新聞社90年代アメリカ映画100