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ヴィタリナのharunomaのレビュー・感想・評価

ヴィタリナ(2019年製作の映画)
1.2
ユリイカ ペドロ・コスタ特集を借りました。

引用された蓮實、赤坂大輔、山根貞雄の批評は素晴らしい。
河野さんは、仕方がないということで、だらしなくDVDで眺めることも含めて個人的な感想を述べ始めている。

賞賛の言説(確かに食傷気味で、黒沢、諏訪、濱口竜介、入江悠!、赤坂、今村、角井、河野真理江、佐々木、田村尚子!、坂本安美、廣瀬純、堀潤之、土田環、七里圭、船橋、荻野、松浦、小川直人までいる)の中で、実感を持って違和を表明することはいい。

廃棄されたショットには何が写っていたのか。
貧困を美しく描くとは?(グリフィスやチャップリンのことは書かれていない、あとポスプロキネコの超絶技巧、そのための多人数のスタッフ)

廃棄されたショットには何が写っていたのか。廃棄された美しくないショットの瞬間には何が写っていたのか。いや、単にNGだっただけだ。美しい、美しくない、快、不快のレベルではなく。
ほとんど不可知論だが、あり得たかも知れない可能性は芸術作品にはなく、むしろ物語内容、物語言説の中で、可能性そのものが試されている。そうでなければ、二度も三度も見る必要がない。
批評ではなく、違うジャンルの文章としていい。

2020年10月発行
未だに『ヴィタリナ』を見ていないので、なんとも言えませんが。
たまたまフォードの『黄色いリボン』と同時に見ていると、ショットの質感、色味、レンズはほどんどフォードと関係がないと見える。覇気のない亡霊たちというのは、ランボーからすれば嫌いです。ア・ゴースト・ストーリーのパイと違って。
ランタンは出てきたが、ランプシェードかランプ、蝋燭くらいはつけろと。
闇そのものと微光の特権などなく、いつしか強烈なサイドからの自然光も消えている。
沈黙を強要される他の人物たちの在り方が、ランズマン『SHOAH ショア』の理髪店のエキストラへの存在の問いの暴力と近しいと感じるのはわたしだけだろうか。
ア・ゴースト・ストーリーと同じArri Alexa Mini,カメラマンもいる。
雑誌ユリイカは、青山真治が寄稿していないのが、なんとも。

岸井ゆきの コメント
今回、青山組に参加でき光栄です。この映画は約二年前に撮影しました。現場に流れていた穏やかで丁寧で、キリッとした空気がスクリーンからも見て取れて、今改めてあの時の空気で、落ち着いて深呼吸したような感覚です。二年前と今では大きな変化がありましたが大事なことは変わらずに生活の中にあると思います。是非見てください。

空に住むは2018年の秋に撮られていたみたいです。
「死とは応答 - なしである」E・レヴィナス
しかしおそらく全部で二十四時間も一緒に過ごさなかったものは喪に服すことはできない
イメージの奥底でその躓きがあるだけだ、明晰にして判明な

蕊も露わなわが心のその奥底で(……) 
Au fond de tout mon coeur phanérogame...
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