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ジェントルメンのJのレビュー・感想・評価

ジェントルメン(2019年製作の映画)
4.0
ロックストックも見てなければスナッチも記憶曖昧なので、自分の中でガイリッチーといえばシャーロックホームズやコードネームアンクル。
スマートな頭脳戦と熱苦しい肉体戦の融合。シチュエーションを細かく説明する割に、テンポはいい。そんなイメージ。
実際に今作もそんな自分が思うガイリッチー街道をまっしぐらといった感じだったので期待通りに楽しめることができた。

まず初っ端のオープニングから引き込まれる。35mmっぽい粗さとモノクロバックにオレンジのクレジット。古っぽい=クラシック=紳士的な、ね?

本編はイギリスで大麻の元締めとして君臨するアメリカ人(マシューマコノヒー)が業界から引退するということで、界隈のありとあらゆる紳士(悪人)たちがその座を狙う話。

本来紳士であるべきイギリス貴族が落ちこぼれ、貧困上がりのアメリカ人が紳士として君臨してる構図は面白いなと思った。
アメリカ以外にも中国・ロシアと様々な人種が出ていて、ある意味で移民流入を嫌ってEU離脱を決めた近年の風刺も兼ねているのかな。

ニューグラント演じる私立探偵のフレッチャーが狂言回しとして、一連の出来事の考察とその映像
という型で物語が展開される。

魅力的なキャラクターがたくさん出てくるので最初は誰が誰だが分かりづらく混乱するが、クライマックスでは全てが繋がり円になる。映像だけでなく内容もしっかり練られているので最後で飽きさせない。

ちょいちょい挟まれる映画ネタも面白い(中国人に与えられた殺しのライセンス…笑)

あと服装もお洒落なうえにメッセージ性があって見応えある。個人的にはレイのバブアースタイル(ハンティングジャケット=狩る側の人間)が好き。

マシュー・マコノヒー目当てで観に行くと、チャーリー・ハナムにやられるから御用心。
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