人はいつだってわがままだ
大家族の中心である母が、祝いの席で倒れ認知症と診断された。4人の息子たちとその家族の変化を描く。
横にスライドしていく画は、まさに絵巻物。
四季とともに変わりゆく町と、世代。
「守る」という意識は、実に個性が出る。母として女として、父として夫として。未来の自分のため。
国は違えど、人は普遍的だと痛感したのは、「お金」にまつわる会話の時の表情。
美しい自然や風景と相反して、わがままに本音をこぼす人々は正直見ていたくないものだ。
貧困と介護、教育。恋愛と結婚。時代錯誤な両親は、一つの町に染まっているのだ、きっと仕方ないこと。
監督の親戚や知人をアテ書きしたという今作はとてもリアルで、穏やかに客観視した150分だった。(元は5時間もあったというから衝撃)
「団結して幸せにならなくちゃ」このフレーズが一番ハッとした。