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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編のsyuheiのレビュー・感想・評価

3.0
言わずと知れた2020年のメガヒット邦画。Ufotable制作、外崎春雄監督作品。

TVアニメ版で際立っていたUfotableの美しく迫力のある作画が存分に堪能できる。鬼滅の大きな魅力は柱と呼ばれる味方側の超人的剣士たちが放つ圧倒的な存在感で、故にこそ彼・彼女らに苦戦を強いる敵がいかに乗り越えがたいかが際立つ。本作では柱のひとり煉獄杏寿郎に焦点があたる。

物語はTV版の続きでコミック版だと7〜8巻に相当。ヒノカミ神楽の情報を求め、鬼が出るという列車に煉獄を訪ねた炭治郎たち。『サブウェイパニック』『スノーピアサー』を例に出すまでもなく列車という一方向に進む閉鎖空間は映画向きの舞台。夢を操る敵が見せる幻影世界も加わるので空間的な広がりも。

敵である鬼はこれまでゾンビベースだったが、本作では大幅にパワーアップしてもはや何でもあり、文字どおり変幻自在のモンスターに。味方がピンチになると別の味方が助けに来る、ベタながらその演出がカッコよくてラストバトルに向けてボルテージが上がっていく。そして満を持して柱が登場。

柱の煉獄は目を見開き、口元に不敵な笑みを浮かべ、頼れるカリスマ感がいっぱい。だからこそ彼が全身全霊を賭けて戦うラストは上がりまくる。長い原作の一部なので本作だけのドラマ展開はさすがに単調だしセリフ過多なのも原作の味と言えば味。それでもキャラの魅力とアクションで十分楽しかった。

一点だけ残念だったところは、TV放送時も思ったんだが、この作品は人名や技の名前の漢字がカッコいいので、キルラキルばりに画面に出してほしかった。

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