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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編のkikiのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

ド級にハマっているので、
推しもがっつりいるので、
冷静な目で見れない事はわかっていたんですが、1つの映画作品として心を無限城にして突き放した目線で観てまいりました。

音響、原作と同じくスピード感ありすぎの無駄のないカットと、キレのある見せ場をこれでもかともりもりに入れてくれる映像プロダクションufotableのテクニックを大画面でみるだけでも眼福の一言。
もはや日本を代表する技量。

テレビ版では容認してしまう、アニメすぎる過剰な演出もそれは鬼に夢に誘い込まれた主役の彼らと共に、観客をスムーズに夢の中へ入ったんだと気づかせる導入技法に溜息。
そこに電車の中の電灯がバチバチと暗闇と明るさをちらつかせる演出効果は色気すら感じます。

鬼の全貌が露わになるシーンは、昔のヒルコや帝都物語のvfxを思い出すほどの気持ち悪さとぎこちない動きが、レトロで最高でした。

ここまででも心臓が持っていかれる上、梶浦由記の奏でるOSTがそれ以上にクライマックス感を全編において盛り上げていき、暴走していく列車のスピード感と最高のアクションを融合させていく。
個人的には、主人公の炭治郎が鬼の罠により見せられている偽物の幸せな夢の中から徐々に覚めていく箇所。
夢の幸せ感と真逆の不協和音のギャップ効果に鳥肌。
そして、アニメ版以上に溜めて溜めて溜めて盛り上げる、必殺技の霹靂一閃の音、視覚、スピード効果は必見もの。

声優たちの声の演技の極限をも垣間見える。喉から血が出るんじゃないかと思うほど。

クライマックスの対峙アクションシーンは、ザ・ジャンプ演出といわれているマトリックス3を塗り替えたのでは。

近年の邦画作品の中では最高の出来。

最終的に人間讃歌を作品全体で叫ぶ愛が、炭治郎の声とともにこちらの心臓に突き刺さってくる。

国民的人気になるのは必然。
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