Yuri

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編のYuriのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

映画としては、漫画とアニメの流行から必ずヒットすることが分かりきってたから
作画や映像や音楽や声優にちゃんとお金がかけられてて、ちゃんと見れるアニメ作品になってた。煉獄さんのシーンは普通に泣ける。ただそこ以外は説明的なセリフ多いし、回想とモノローグ多いし、対象年齢低めな感じがした。

あとシンプルに炭治郎達と煉獄さん初対面だよね…?
初めて会った人の死に、そんな長年の恩師が死にましたみたいな感じでこられても…
別に初対面であることに問題はないけど、炭治郎達があそこまで号泣するほどの関係性や心情の変化の過程が2時間では感じられなかった。
いきおいで感動させられてる感じ。
壮大な作品だし「死」が多く存在する世界線だからこそ、もうちょっと丁寧に描いて欲しかった。
鬼滅って原作でも特に後半そうだけど、それぞれ登場人物の過去回想やって死ぬ、想いを次の世代に引き継ぐ、感動。みたいなワンパターン化が目立つ。


それからものすごく色々なところから顰蹙を買いそうだけど、鬼滅全体に対して正直な気持ちの備忘録として。
この流行のせいでつい穿った見方になってしまうけど、バランスよく纏められた丁度いい作品というのが一番の感想。
過去の名作の良いとこ取りのアニメだから、これでストーリー書いたら面白く無いわけがないでしょうと思ってしまう。それを上手くまとめることに成功している点については評価できる。
主人公が善良で、武器が刀で、色々なタイプがいて、服装が制服っぽくて、かつての日本が舞台で、鬼という歴史的な怪物が敵で、人間が怪物に変化できて、人間を元に戻すのが目的で、家族を敵に殺されて復讐に燃える、遺伝的に特別な少年、等々…
すべてどこかで見たことある設定。「あー、ここアレっぽいなぁ」と思いながら見てしまい、いまいち作品の中にめり込めなかった。
登場人物の動機や感情が毎回モノローグで"説明"されるから、そこも感情移入できない要因。
神視点作品が感情移入しにくいと言われるのを具体化してる。
設定に関しては少年漫画ならどの作品にも言えることかもしれないが、鬼滅の刃は社会現象になってしまいハードルが上がりすぎてるのは分かる。ただそのハードルを超えてこれない作品でした。
Yuri

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