福福吉吉

権力に告ぐの福福吉吉のレビュー・感想・評価

権力に告ぐ(2019年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
ヤン・ミニョク検事(チョ・ジヌン)は自殺した女性からセクハラされたと遺書で告発されて停職処分になってしまう。身に覚えのないミニョクは独自で調査し、自殺ではなく他殺の可能性があると考える。死亡した女性は大韓銀行の職員であり、同銀行の売却に関わっていたことが判明し、ミニョクはこの事件の裏側にある陰謀に直面する。

◆感想◆
強引でタフなヤン・ミニョク検事が自分の汚名をそそぐために事件を追っていき、韓国経済の大きな暗部に直面するストーリーとなっており、世界経済の仕組みの嫌らしさを実感するものになっていました。

ヤン・ミニョク検事は自分勝手で強引過ぎるところがあり、どこか一歩引いて観ていましたが、彼の強引さの裏に計算ずくの部分もあり、それでいて彼の芯の部分に検事としてあるべき正義の姿が見えてきて、終盤に見事に開花したように感じました。

ミニョクはスターファンドの弁護士のキム・ナリ(イ・ハニ)に出会い、本来はミニョクの敵側に当たる弁護士なのですが、ミニョクは強引にナリに協力させようとします。ミニョクとナリの距離感が絶妙で、ナリ自身として弁護士として違法なものを許さない信念からミニョクに協力するようになって、とても魅力的なキャラクターだと思いました。

ストーリー自体は、海外資本が韓国内の銀行を買うために銀行の評価を違法に下げて安くさせるという仕組みを暴くというものであり、よくあるパターンなので分かりやすいと思います。組織的な圧力の中でいかに証拠を得るかという部分で、醜いながら人の本質的な部分をさらけ出す韓国作品の醍醐味を感じる作品になっていました。

なかなか面白かったと思います。ヤン・ミニョク検事の圧倒的な存在感が魅力の作品でした。

鑑賞日:2023年12月4日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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