Auralee

ラーヤと龍の王国のAuraleeのネタバレレビュー・内容・結末

ラーヤと龍の王国(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

一部では判断ミスだったと言われている子供のラーヤがナマーリを龍の石の場所へ案内した冒頭のシーン、あれは彼女を信じたからだよねって思います。将来は一国を担う立場であり、趣味が合いそうな同じ年頃の子がいたらそりゃ仲良くなりたいよね。だから大切な場所へ案内した。

つまり彼女は最初は人を「信じた」
そして裏切られた。

そして手酷く裏切った相手を今度は信じられず、その結果シスーを失い、最後にもう一度ナマーリを「信じて」全てを「託した」

この物語の肝はこれに尽きるんじゃないかな。
裏切られた相手をもう一度信じるには「赦し」というプロセスが必要です。
分断を越えるには、まずは相手を許すこと。その立場を認めること。そして物事を個人ではなく、全体として考えること。

信じることは相手を全肯定しないと出来ないものなんですよね。
だから信じられたナマーリは応えずにはいられなかった。

それからラーヤの大切な人たち(父親とシスー)が「まずは相手を信じてみよう」と言って実践してきたのも良かったなー。失敗したし裏切られたけど、彼らは諦めなかった。
融和を説き続ける大切さ、自ら体現することの意義も感じました。

欲を言えば、もう少しきちんと他の国との経済格差とか独りで旅をする厳しさとかを描いて欲しかったけど、美しい自然や桃太郎みたいに増えてく旅の仲間たちやトゥクトゥクが可愛かったのでオッケ!赤ちゃんの活躍はさすがに無理があると思ったけど、それもオッケ!こういうのは楽しんだもん勝ち 笑

ラストはご都合主義的だってレビューも見掛けますが、これでいいんです。
他者を信じること、繋がることを謳う物語だから、ハッピーエンドとして語ることに意味があるんだと思います。
Auralee

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