ブラックユーモアホフマン

ラーヤと龍の王国のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

ラーヤと龍の王国(2020年製作の映画)
3.4
ダイジェストすぎる。

ピーター・ジャクソンなら3時間×三部作作るくらいの物語世界のディテールまで作り込んでる分、短すぎてノレない。
100分にまとめるために脚本や演出をおざなりにしすぎてる。”映画”であることを何も考えてないな、と思わざるを得ない。

ラーヤ役のケリー・マリー・トランはスター・ウォーズだけど、他キャストがMCUフェーズ4すぎる。オークワフィナ、ジェンマ・チャン、ベネディクト・ウォン。
サン・カンも「オビ=ワン」に出るしね。結局みんなディズニー傘下のキャスト。
コロナ禍、リモートでレコーディングしたらしいから、ディズニー的に頼みやすいキャストに頼んだっていうこともあるのかもしれないけど。

龍の声がオークワフィナなのは『ムーラン』におけるエディ・マーフィのムーシューの現代版。作り手もそこは絶対狙ってる。

ちなみに字幕版で観た。日本語吹替ではオークワフィナの声は伊藤沙莉がやったらいいのにと思ったけど、高乃麗さんなら納得です。納得するしかありません。

キャストも、話の”テーマ”も含めて「あー今のディズニーだなー」って感じでちょっともう食傷気味。そりゃ言ってることはご立派ですけど、映画として面白くないんじゃしょうがない。

開始10分でどうなる話で何が言いたいかが分かりすぎるのでワクワクしない。全キャラ、全展開がメタファーすぎる。
純粋に物語にのめり込ませて、最後まで見て、あー!そういう話だったのか!とそこでやっと気づかせて欲しい。

ドン・ホール、『ベイマックス』も全然ダメだったんだよなぁ。カルロス・ロペス・エストラーダ監督は『ブラインドスポッティング』まだ観てない。観たいとは思っている。

ジェームズ・ニュートン・ハワードの劇伴はさすが!って最近書いた気がするなと思ったら『ジャングル・クルーズ』だ。”川映画”として共通する部分はあった。

【一番好きなシーン】
猿&赤ちゃんとの追いかけっこ。