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General Magic(原題)のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

General Magic(原題)(2018年製作の映画)
4.0
iphoneが登場する前の1994年、シリコンバレーにスマホを作ったVBがあった。壮大なビジョンを掲げ、天才たち(ジョブス不在)が寝る暇を惜しんで作ったが、時代が追いつかず、失敗に終わった。その一部始終を収めたドキュメンタリー。

これは再現ドラマでは絶対に見られない、創造的な若者たちの夢と情熱、喜びが伝わってくる貴重な映像。私もVBにいたので、このクリエイティブで自由な空気がたまらなく好き。どこにもない何かを生み出すために若者が凝集し、個個人が未来へと自分の役割に集中していく。

IPOが目的なのではない。世の中を変える未来を夢見ている。

general magic社の作った製品は、画期的だったが、「1880年にテレビが作られたようなものだ」と自嘲するように、誰も使い方を想像できなかった。その後、同時並行して<秘密裏>に作られていたPDAなるAppleNewtonが登場。

映画だけ観ていると、general magicはもともとApple社の子会社で、AppleのCEOのスカリーが支援してスピンオフのプロジェクトとしてスタートしている。

にもかかわらず、スカリーがそれに対抗する製品Newtonを発表した。映画の中では裏切られた感が漂っていたが、具体的な問題やカラクリは述べられていない大人なドキュメンタリーになっている。当時のことをスカリーとウォズニアックのインタビューで繋げていても、背景が十分に語られていない。

大人の事情が何かはwikipediaで読んだけど、general magicに分が悪い感じ。Appleの子会社 general magicを立ち上げて頓挫させたはずの既存のNewtonプロジェクトが違う方向で生きていたが、同じ方向に近寄ってきた、ということかな。かたや小型PC手帳でペンによるタッチパネルでビジネスユース、かたや指によるタッチパネルでマッキントッシュのような遊び心、といった大きな違いはあるが。

いずれにしろ、プロジェクトは解散したが、技術者たちのその後の活躍は目覚ましい。ipod、andoroido、新たなビジネス、国家プロジェクト等々。ただ、結局、ジョブスが戻ってきても、iphoneに参加したのは、ipod開発した人だけみたいで、iphoneとは距離をおいているようです。
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