チッコーネ

ある愛のすべてのチッコーネのレビュー・感想・評価

ある愛のすべて(1972年製作の映画)
3.2
峠を過ぎスタジオに解雇されたハリウッド黄金期の大女優が、イギリスに招かれ作品を撮るケースは多いが、本作に関しては「さすがリズ」という感じ。
殺人鬼でもコメディエンヌでもないが『ヴァージニアウルフなんか怖くない』を彷彿とさせるエキセントリックな汚れ役で、しかもLGBT要素も有の作品というのが、いかにもゲイアイコンの彼女らしい。

撮影ギミックのない脚本重視の英国的作風だが「独りになるくらいなら、何でもやる」という愛欲モンスターのキャラは不快感満載。
男も男だが「どっちつかずになりがち」というレズビアンの短所に焦点を当てていく流れにも、悪意を感じた。原作があるのだろうか。