みきてー

今日もどこかで馬は生まれるのみきてーのレビュー・感想・評価

3.7
友人がトークショー付きの上映会を開いていて、そこで鑑賞。見られて良かった。
口々に関係者が言う「割り切らないと」という言葉が胸に刺さる。彼らのやりきれない想いを優しく鎮魂してくれるような、受け皿になってくれるような、そんなドキュメンタリーだった。

屠畜されたサラブレッドのほとんどがドッグフードになるらしく、言語化できないような衝撃を受ける。だってかたや経済動物として何億も動かす存在なのに、勝てなくなったら簡単に愛玩動物のエサになるなんて。生き物の種に貴賤はないけど、あまりにも構造が残酷だ…

競馬はなんて業の深い興行なんだろう、と思うと同時に本作はそれを純粋に楽しむファンの姿もバイアスなく描いていてとてもフラット。この現状を打破するには、馬を愛するひとたちが巨大組織を動かすのが最短ルートだ、と強く主張している。

私は競馬を見ないうえに知識も興味もない人間なので、何ができるか見当もつかないというのが正直なところだ。友人のプロダクトを購入することで、何らかの形で、命の証左を紡いでいければいいなと思った。
みきてー

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