キャプテンマーベリック

今日もどこかで馬は生まれるのキャプテンマーベリックのレビュー・感想・評価

4.0
2023_No.11

競馬を語る上で避けて通れない引退馬の問題を描いたドキュメンタリー映画です。
種牡馬、繁殖牝馬、功労馬として天寿を全うできる馬はごく少数で、大多数の馬は屠殺され馬肉になる現実があります。

生産者、厩務員、調教師、騎手、食肉業者など、様々な職業の人物が登場し、引退馬問題について語っていました。
引退馬を受け入れるなどして真っ直ぐ問題を受け止める人もいれば、仕事だからと割り切っている人もいて様々です。
生産者の人の「引退馬のことを考えてしまうとメンタルがもたないから」という言葉には重みがありましたね。
馬に手をかける食肉業者の方ですらも、涙を流す馬の目を見れないとの理由で、顔を覆ってから屠殺するそうです。

よく競走馬は経済動物(要は家畜)という言葉を聞きますが、自分が思うに競走馬って経済動物の面と愛玩動物の両面を持ち合わせてると思うんですよね。
競走馬は一頭一頭が名前を持ち、ファンに興奮・夢・感動を与えてくれます。
それを牛や豚などの家畜とまったく同じというのは違う気がして。
だから走らなくて用済みになればすぐ屠殺ではなく、彼らの居場所を作ってあげる必要があると思います。

引退馬を支援する法人がいくつか紹介されていましたので、寄付や商品の購入を通して、少しでも引退馬の支援をしたいという気持ちにさせられる作品でした。