このレビューはネタバレを含みます
わたしもケンタみたいな友達欲しい。
料理長の厳しさの中に優しさがたくさん見えた。険しい顔だけど時折見せる笑顔が素敵だった。
私は目が見えるから盲目の人の気持ちはわからないけど、この映画を観ていろんなことを考えることができた。
私たちには見えたいくつかの優しい笑顔がユウキには見えないし、ナポリタンの美味しそうで彩りのある出来上がりも見えない。そう思うと、盲目の人たちはたくさんの素敵なものを取りこぼしながら生きているように感じる。
しかし、彼らは私たちよりも視覚以外の感覚を研ぎ澄ませながら生きている。友達のにおいや友達が出す音なんて今までほとんど気にしたことがなかった。
素敵なものを取りこぼしているのはむしろ私たちの方なのかもしれない。私ももっと、たくさんの幸せを拾いながら生きていきたいと思った。
世の中は厳しいし、どの瞬間も一回きり。
パスタの試験のあの時間だけが重要なのではなくて、たくさんの大切な瞬間の積み重ねなんだなあと感じた。