オトギバナナ

ドロステのはてで僕らのオトギバナナのレビュー・感想・評価

ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)
2.8
タイムリープの老舗、上田誠&ヨーロッパ企画の新作。2階にあがると、そこは「2分の時差」があって、1階の自分とテレビでつながっている…。ていう、タイムリープものとして、かなりニッチな設定。けど、ほかのタイムリープ作品に比べると、捻りも作り込みも弱い。

そもそもこの設定なら、実写映画でやらずに、舞台でやって同時存在的なシーンを上手く見せてくれたら感動したな、とか、アニメーションでもっとめちゃくちゃした方が面白かったな、とか思う。

実写でやるにしても、この設定で70分は長い。同じ場面を、TVの向こう側とこっち側で繰り返し見せるのが冗長に感じたし、短編の方が栄えると思う。

スカパラみたいに、作品ごとにゲスト主演を入れ替えるのは良いし、朝倉あきも良かったけど、相手の男優も旬な若手を呼んでほしかった。経緯を省いてボーイミーツガールを見せるなら、一目見てお似合いなカップルじゃないと入り込めない。

トラブルを招いたやつも、その後が無責任すぎるだろ、て思うし、設定を膨らませること以外の部分が弱い。看板商品のタイムリープにこだわらず、果敢にほかのテーマに挑むヨーロッパ企画が見たい。