いわしさん

涼宮ハルヒの消失のいわしさんのレビュー・感想・評価

涼宮ハルヒの消失(2010年製作の映画)
4.0
最後にみたのがいつだか思い出せないくらい久しぶりにみた。少しくどさもありつつとても挑戦的でやっぱり面白かった。

すでに出来上がった作品世界の構造と登場人物の行動原理を変えようとすることの危険さと難しさを感じた。
安易に変えればキャラクターが薄っぺらくなり読み手は置き去りにされ、それまで積み上げてきた物は簡単に崩壊してしまう。
(○○はこんなこと言わない/しない)
だからやりすぎるくらいキャラクターの存在と信条を脅かして行動を迫り、自分の選択についてキャラクター自身に納得させ、その過程をわかるようにみせる必要があるがこれは大変な労力を伴うはず。
主人公の奔走っぷりに通ずるものがある。

二時間半を超える尺ながら、さすがの作画と展開が良いからかテンポが悪いとは感じなかった。
主人公とシンクロする序盤のタメと、手がかりをつかむ中盤の高揚感、種明かしがされる終盤の切なさ。

やっぱり抑えられた分だけ解放されたときのカタルシスは凄い。中盤の展開がほんとすき。
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