なかた

ゲームチェンジャー: スポーツ栄養学の真実のなかたのレビュー・感想・評価

4.0
【賛否あるヴィーガンイズキングなドキュメンタリー】
スポーツ選手がヴィーガンで記録を伸ばせるのか?という問いに答えたドキュメンタリー。

本作の内容は
◉近年の研究技術の向上で、古代剣闘士は菜食主義者だと判明した
◉菜食主義に変え記録を伸ばしたアスリートたち
◉彼らは菜食に変えた後の方が体調、記録ともに良いと発言している
◉動物性タンパク質は必ずしも必要ではなく、植物性タンパク質で十分である
◉古代の人間は歯の作りからも菜食主義であることが分かる
◉元々タバコは健康に良いと言われていた、ハンバーガーもそうだった
◉上記の企業は体に悪いとされた論文を否定する論文を作るためにお金を使っていた
◉畜産のために使われる地球の資源が多い


一方、ネットではさまざまな反論もある
◉偏った情報なのでは?という反論
◉肉食の有名なアスリートに触れておらず、菜食の無名よりのアスリートに触れている違和感
◉草食動物が強いと言っているが、肉食のライオンやトラについて触れていないこと
などなど


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個人的な意見だが...

このような内容には結論は出ないことが多い。
私の好きな名著『反脆弱性』には、
・現象学と呼ばれる経験的な効果が最も信じられると書いてある
・現象学とは、例えば『筋肉を鍛えればお腹に脂肪が付きにくくなるのでラムチョップを多く食べられる』という理論を抜きにした経験から学べる事象を指す
・例えば上記理論は時代によってどんどん変わる
・以前は、筋肉でカロリーが燃焼され、代謝が活発になる、という理論だった
・しかし、最近は、インスリン感受性が高まり、脂肪が蓄えられにくくなる、と言われている
・今では禁止されている、トランス脂肪酸が健康に良いと信じられていた時代があるように、理論は時代によって変わりゆく
・だから信じられるのは現象学だ
という内容が紹介される
(個人的な解釈が入っているが)


ヴィーガンも同様なのだと思う。
恐らく100年後は全く違う議論がされているに違いない。
まず興味を持って菜食主義で生活した時に体に変化が起こるなら、続ければ良い。
そうでないなら辞めれば良いと思う。
なかた

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