ニジム

A Hora da Estrela(原題)のニジムのネタバレレビュー・内容・結末

A Hora da Estrela(原題)(1985年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

クラリッセ・リスペクトル『星の時』を原作として映画化。
ポルトガル語で、字幕もそれのみなので、読んだ小説を思い出しながら観た。なるほど、映像にするとこうなるのか、というのを確かめるためなので、映画としてのできはよく分からないです。
ブラジル北東部からリオに出てきてタイプライターをしている貧しく孤独な若い娘が、ある日同郷の男と出会い、恋をするがやがて同僚に心移りされて捨てられる。単純な話である。が、そこに横たわる屈託が映像で表現されている様子はすこいなと思った。マカベーアの自意識過剰なエピソードで自身の性をもて余している様子が描かれ、後半の占い師とのスイッチする映像で、彼女の無垢さが対比されている、ように見える。
最期までは描かれずに終わるが、映像を見ればその後どうなるかも分かるだろうということなのだろう。あと、小説と違ってオリンピコがグローリアに相手にされなかった(だよね……)ことも台詞なしで描かれるので、少し溜飲が下がる。

なんの救いもない可哀想な話なのだけれど、彼女の能天気さがあるので、滑稽さもあり、あまり重苦しい後味にはならない。
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