紅海苔

フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話の紅海苔のレビュー・感想・評価

3.2
去年の国慶節は建国70周年だけあって毎年お馴染みの国策映画は豪華でした。チェン・カイコー総監督の「私と我が祖国(我和我的祖国)」と本作「中国機長」です。監督はアンドリューラウ!
最近はダンテラムがオペレーションレッドシーとかいう人民解放軍が海外でも大活躍する映画撮ってたりするので、香港系の監督さん達の中国化が止まりません。

どなたかが仰ってますが、ハッピーフライト+ハドソン川の奇跡です。世界仰天ニュースの長尺版と言ってもいいかもしれません。

注目したのは行先が拉薩なので、チベット観光の漢民族やチベット市民、坊さん(マニ車をいつも回してます)が搭乗してることです。チベット人の親子が出てきますが、お母さんはチベット語しかわからない為、息子に北京語で書かれた書物の意味を聞いてたりして、最近モンゴルの北京語教育のニュースがあったばかりなので生々しさを感じます。又、元人民解放軍兵士らしき老人が出てきますが、チベットに向かう理由は現地で亡くなった戦友を弔う為なので更に生々しいです。

何はともあれ、最悪な航空機事故を回避した中国機長と献身的に立ち回ったクルーのおかげで、漢民族も外国人も、チベット人も不良娘も強面のおっさんも老兵も赤ちゃんまでも皆サムズアップしてハッピーエンドです。

エンドロールで実際の機長を含めた9人のクルー
が登場。習近平との接見シーンも出るかと思いきや出ませんでした。

中国の国策映画は一昔前は建国大業とか建党偉業とか重厚な歴史映画でしたが、興行収入は散々だったようです。そこで本作のようにエンタメ化させる路線に切り替えたようです。
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