てとう

すばらしき世界のてとうのレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.3
人生の大半を刑務所で過ごした男が、出所してぶつかる壁を丁寧に描いてた。困ってる人をほっとけない優しさとすぐにカッとなる暴力的な部分を内包する男が生きるには難しい社会の中でも、堅気で生きていこうともがいてる所を見て手を差しのべてくれる人がいる。暴力的になる以外の感情を三上という人柄ならきっと幼少期に学べたはず。助けたくても助けられない悔し涙も、手のひらに残るコスモスも、食事を誘う元妻との電話も、彼のために泣いてくれる人が5人もそばにいることも、最期に三上が見たすばらしき世界だと思う。
長澤まさみが思ったよりチョイ役なのに魅力的で、仲野太賀を突き動かす説得力があって良かった。背中流すシーン、グッときたな。
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