ここにーる

すばらしき世界のここにーるのレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.0
もはや殿堂入りしてる役所広司ならこれくらいやれて当然なんだけど、むしろこれは“仲野太賀の映画”だと思う。都会の片隅に燻る青年が男として一皮剥けていく成長譚と言ってもいい。くすみつつある入れ墨の上の重ねてきた年輪のような疵とそのぶ厚い役所の背中を、太賀が目を真っ赤に腫らしながら流してやる風呂場のシーンが堪らなかった。

※そういえば佐木隆三(原作者)さんは福岡の人だったな。西川美和監督の最高傑作。