見終わった後の余韻がすごくて、なかなか感想が書けませんでした。
刑を終えて、出所したあとの1人の男の物語。
色んなルポを読んでも、みな共通してるのは、娑婆は生きづらいということ。
だから、再犯率も高い。
色んな立場の人が出てきて、それぞれの気持ちが本当にリアルに表現されていて、脚本の素晴らしさに感服しました。
100人いれば100通りの人生があり、100通りの正義がある。
ある一方から見ればそれは正義でも、こちらから見れば偽善や不義になる。
私だったら…と自分を置き換える場面が何度もありました。
役者さん演じる三上は、瞬間湯沸かし器でどうしようもないところもあるけど、でも、女性にとても優しかったり、正義感が強かったり…。
気がついたら、頑張れ頑張れ、落ち着いて落ち着いてと、祈る自分がいました。
とあるシーンではもう涙が抑えられなくなり、劇場で嗚咽というわけにもいかず、我慢するのが苦しかったです。
夫婦で地元が博多なのもあり、役所さんの九州弁のうまさに驚きました。
夫は、役所広司って九州だっけ?と申しており、調べたら長崎!通りで!となりました😊
こてこての博多弁が懐かしくて、それも感情移入した理由の一つだな…。
役所さんの怒声、迫力ありました。
正直、変なニュアンスの方言は萎える要因にもなるので、リアル博多弁、良かったです。
ああなんか。まとまりません。
色んな立場の人がいるから、もしかすると、みんなが絶賛する映画ではないかもしれません。
それでも私は、包摂の大切さ、社会のありかたを提言してくれたこの作品が大好きでした。