刑務所から十数年ぶりに出所した男の話し。
カッとなりやすく暴力で物事を解決しようとしがちな彼は、優しさと正義感に溢れ真っ直ぐすぎる一面も同時に持ち合わせている人。
多くの人が当たり前のように過ごしている社会は刑務所上がりの人に冷たくて、社会復帰したくて自分なりにもがいても上手くいかなくて居心地が悪く感じる。ヤクザの世界に舞い戻って生きた方が楽だと思っちゃうんだよね。
そこが確実に自分を受け容れてくれる居場所であることは間違いない。
何を当たり前とみなすかは簡単に変えられるようで難しい。
一人の人間が要領良く生きるために全てのことに全力投球では居られない。
都合の悪いことは見て見ぬ振りをして関わらないことでバランスを取って生きる、それを皆んな当たり前のようにやってるんだよね。それは悪いことではない。
真っ直ぐすぎる人はバランスを取って生きることが理解出来なくて苦しいよね。
色んな人の視点で描かれていて見応えがありました。
狭い畳み部屋で就職祝いをするシーン、取り囲む人々の投げかける言葉や表情が温かくてすごく良かった。
仲野大賀さんの演技が素晴らしかった。
