藤井陸

すばらしき世界の藤井陸のレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.8
これまで西川美和作品は絶対に「ゆれる」が一番いいと思っていましたが、それに相当するおもしろさでした。

 まずタイトルがずるい。そしてタイトルの出し方がずるい。あのラストシーン(正真正銘一番最後)でふと残酷さを、皮肉を思い出す。
 そして主人公三上の純粋さがこの皮肉をより一層強くし、私たちは自分の愚かさも知る。感情を押し殺すことが多いこの世界は、残酷ながらすばらしき世界なんですね。
藤井陸

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