いちご大福

すばらしき世界のいちご大福のネタバレレビュー・内容・結末

すばらしき世界(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます


いろんな思いになる映画だった。
見た直後は、すばらしき世界て何て皮肉なんだろうと思った。
三上はあまりにも真っ直ぐで、真っ直ぐに生きた結果自分を押しころさないと生きていけない。暴力だとかそういうのは間違っているけれど怒りは間違っていないわけで。
ただやり方が違う。逃げる勇気を周囲に教えてもらって社会に生きようとする三上の人生。
こんな世の中のどこがいいのよと思ってしまった。
前半の三上は全く好きになれないし犯罪をなんとも思っていないやばいやつという感じがするのに、いつの間にか引き込まれてしまうからすごいなと思う。
自分を押し殺した後にコスモスを受け取った後の表情が良いなと思ったし、怒りのシーンて難しそうなのに沸点に達する感じが全く違和感ない。
母親からの愛情を受けられず、極道の道に行き、犯罪を繰り返した三上にとってこの世の中はあまりにも生きづらい。映画ではさまざまな人が三上に関わっているけれどこれはある意味願いのような部分で、実際はこういうケースは少ないんじゃないかな。
監督が「お先にどうぞ」と言える世界が寛容な社会じゃないか、みたいな事をインタビューで言っていたような気がするけど、なるほどと思った。
そんなすばらしき世界になったら良いなと思う。

介護施設のシーンは「お願い抑えて」と思って見ていたんだけど、三上を煽ってるのかってくらい酷いこと言っててリアリティがないように感じた。あんな介護職員いたらドン引きするけどあんな人いるかな?もうちょい自然な台詞とか態度の方がいいような気がするけど…三上の揺れ動きを出すためなのかな…