すばらしき世界のイカのネタバレレビュー・内容・結末

「困るんですよ」と言った津乃田の意図を捉えたいと思って2回観た。
西川監督の作品は、1回観ただけでパッと感想が言えない。
2回目観た時、なんで困るんですよなんだろう？と思った自分にに対してなんで？と思った。
そりゃ困るよな。こんなの。
最初見たときに、私は、津乃田が小説を書けなくなるから困るってこと？それってなんかひどくない？と先に思ってしまったんだな。でもこれも半分正しくて、きっと津乃田が書こうとしていたのは、三上がいる「すばらしき世界」だったんだと思う。なのに、三上がこの世界に無理して適応することで死んでしまったから、そんなのは書けなくて、困るんですよと叫んだのかなぁと。

三上が生きていけない世界はあんまりすばらしくないんだと思う。
ときおり恐ろしい一面を見せる三上が四苦八苦しつつもなんとか生きているときよりも、三上が三上らしさを失って世界に吸い込まれて死んでしまう方が、津乃田がすばらしき世界を信じることが出来なくなるんだもんな。

ところで「ヤクザと家族」「書けないっ！」など立て続けに見てるからか、すっかり北村有起哉のファンです。LOVEです。いろんなお仕事に就いていてキュン…。
津乃田を演じた仲野太賀も好きです。長澤まさみにカメラぶん投げられるシーン、ゆれるの香川照之を思い出しました。めっちゃ良かった。
裏のない優しさの六角さん、真犯人じゃない橋爪功と梶芽衣子夫妻…など、やっぱり西川監督のキャスティング大好き。

あと、パンフレットは1000円なのに写真もインタビューもシナリオも載っててすごい充実しとるし表紙からして泣いちゃいそうになるから買ってよかったー。ページめくるとキムラ緑子のあの名台詞が1ページまるまる使って書いてある。