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すばらしき世界のteaのネタバレレビュー・内容・結末

すばらしき世界(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

2回目
映画舘で観に行った時に素晴らしかったのに感想が書けなかった。
やっとBlu-rayを購入しました。手元に置いておきたいと思った映画なんだと思います。

観た人によってラストに出るタイトルの意味合いが変わる
ラストのタイトルにこんな意味を持たす映画は僕は初めてでゾワっとした。
初めて観た時は皮肉だなぁって思ったんだけど、今観た時は「"それでも"素晴らしき世界」ってことかなぁなんて思いました。

この世界で生きていくにはなにかを捨てないといけないのかなとちょっぴり悲しくなりました。
三上さんの言葉や行動は確かに暴力的で良くないかもしれないけれども、今の人が持ってないものを持っているなあとも思ってしまうんです。
子供の頃の愛の喪失や虐待、ネグレクト、環境はこんなにもその人の人生に影響を与えてしまうんだなと。
津乃田くんは、吉澤にああやって言われたからこそ三上さんと向き合う事を決めて、三上さんに感情移入するくらい向き合っていた事に感動した。

夕焼けサッカー泣きから背中洗いのシーンまでがめちゃくちゃ好きです。
夕焼けサッカー泣きでちょっとなにかが変わったのかなと思った。

介護施設で我慢できてしまった自分がいて、それでも無垢なものや人に触れて涙が出てくるのもちょっと僕は言葉じゃ説明できないんだけど感覚で凄いわかるというか。
かといって虐めてた奴らも理由があるように作ってるもんだからどうすれば良いのかわからなくなる。

でも確かに三上さんのような男がいたら僕も怖くて近づきたくないと思ってしまうし、揉め事なんてどっちが悪いとか関係なくて「なんだあいつら」になってしまうと思う。
僕もそっちの考えではあるんだけど、こういう映画を観ると自分含めた「普通」の人
達や社会に嫌悪感を感じたりもする。
考えようって言われてる気がしました。


三上さんは孤独じゃなく死んでいけたと思います。

人間の世の中は生きづらいです。
でもきっと、世界は変わらず素晴らしいんだと思います。
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