元殺人犯である受刑者の出所後を描く社会派テーマのヒューマンドラマ。「この世界は生きづらく、あたたかい。」というコピー通りの内容。だけどそれだけじゃない。まずはとにもかくにも役所広司さんの演技力の凄さ。前半こそそれに感心しきりだったけど、後半は引き込まれてもう演技に見えなかった。終盤はとにかくこのまま平穏にラストを迎えて欲しくてハラハラし通し。監督にはそこを見透かされたようで少し憎たらしい。あなたの望んだ「普通」はこういうことでしょ、と言われたような。そして最高でも最悪でもないラスト。その意味はまだ解らず。