すばらしき世界。
なんと秀逸なタイトルだろう。その言葉の意味する通りでもあり、あまりにも逆説的な「すばらしき世界」。
優しさが切ない。
不器用さが切ない。
隠していたはずの狡猾さや卑しさが切ない。
見終わった後にこんなに打ちのめされる映画は久しぶりで
昂り、まとまらない感情の波を落ち着かせるのに必死だった。
これは三上の物語ではなく、三上を取り巻く人間たちの物語だったのではないかと
数日経ってふと思った。
彼らの姿からあらためて自分という人間を客観してみたりなんかして。
力強い人間讃歌に、襟を正す気持ち。
弧狼の血でガミさんロスになっていた身としては役所広司の演技がただただ素晴らしく至福でした。
