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すばらしき世界のmaのネタバレレビュー・内容・結末

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

“普通“から外れてしまった人の
社会での生きづらさがリアルに描かれていて、主人公三上への感情移入で号泣してしまった。

「逃げる事は勇気ある撤退」
この言葉が、
間違ったことを間違っていると発信できない、正義感だけでは生きていけない世の中の醜い部分を象徴しているように感じた。

この映画を通して
レールから1度でも外れてしまった人間が
社会に復帰するために与えられるチャンスは、
あまりにも少なすぎると歯痒さを感じた。
それでも周囲に支えられながら、
何とか堅気に生きようとする三上に切なさを感じてしまった。この同情の気持ちは、三上を支えた周囲の人間の感情と重なる部分があると思う。
三上を支えた周囲の人間に対して純粋に温かさを感じると同時に、三上本人への同情からくる行動であるように思えたから。

「すばらしき世界」
最後にこのタイトルが空に描かれた時、
真っ直ぐにしか生きられない三上に対して、それだけでは通用しない現実社会の冷たさへの皮肉やと思った。

見ていてしんどくなる部分も多かったけど、
自分にとってすごく意味のある映画やった。
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