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すばらしき世界のKAJI7のレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
3.9
やっと観てきました〜!!✨
今日は、ひねもす映画館巡りしてました🍿🎬📽

ということで、めちゃめちゃ出遅れてしまったけど役所広司主演作品、『素晴らしき世界』をレビューします!!


【あらすじ】
殺人の罪で投獄され、長い刑期を満了した三上には、どうしても捨てきれないポリシーがあった。それは「喧嘩の強い自分には、弱者を守る義務がある」という観念。
ある日、シャバに出てから堅気として生き抜く為に悪戦苦闘する彼の元を、テレビマンの津乃田と吉澤が番組作りのために訪れる。
彼との接触を境に、津乃田はそれまで思いもよらなかった現代社会の構造に気づき始める--ー。

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何かと周回遅れな僕ですが、やっと今作鑑賞できました…!ので、思ったことを書きます☺️

【「ある」というプリセットから引き算する現代社会と、「ない」に足し算してしまう人間たちのお話】

この作品観て1番鮮烈だったカットは、東京タワーとスカイツリーの長回し。狂犬である三上さんの角が取れていく様を言外で表してるのかな…?(色が無くなっていく…?)とても印象的でした🤔

三上の生き様の本質というのは、暴力的という装飾を度外視すれば要するに「我が強い」という芯の部分です。それこそあの大きいだけの電波塔の支柱のような、決して曲がらないものです。これって、どんな人にでもあるものだし、一見するとどんなに自虐的な人間にも、生きてる限りは必ず芯があるはずです。

でも、自分の芯は見えません。どんなに理由をつけて言い聞かせても、「自分って何なんだ?」って疑ってしまう瞬間というのは遅かれ早かれあろうかと思います。
況や、他人のそれなど分かるはずがありません。それらは、赤い鉄や銀色の鋼で飾られているからです。橙や黄色にライトアップされたエクステリアにを奪われてしまって、誰もその中身を見抜ききれないのです。

そういう意味で、役所広司扮する三上は社会に迎合されるためにどんどん剥き出し芯を隠していきました。それがいいのか、悪いのか。それを決めるのは此処に生きる我々一人一人です。そういう素晴らしき世界に、リアルタイムで生きているのだと、わからされた気がします。

今から『悪い子はいねぇが』という作品を観るつもりですが(ネトフリに来てました…!)、今作でも仲野太賀の存在感が凄かった…邦画が彼を必要としているのは、最早自明なのかもしれませんね。😌😌
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