もう良すぎる。
善悪の境界線がぼやけていった先で見える人の愚かさと素晴らしさを描くのが本当にうまい。
観る側の視点、というか一般的な倫理観では主人公=悪、社会=善だけど、
この映画の中ではみ出し者の主人公は応援したくなる存在で、その主人公に立ちはだかる敵が普通の社会で、映画の中の主人公=善、社会=悪と逆転する。
これは極論ONE PIECEの構造と同じで創作物ではよくあることだけど、西川監督はこの逆転構造を劇中で行ったり来たりする。(ハンニャバルのセリフでハッとするのと同じ)
映画の中特有の倫理観と、社会一般の倫理観をない混ぜにしたその葛藤の上で、果たして「すばらしき世界」とはなんなのか、という問いかけがある。
あーもう大好きです。次回作も楽しみ。