原作のノンフィクションノベル佐木隆三の身分帳が読んでみたい。内容からするとタイトルに若干違和感感じた。
本当に社会はこんなに優しいのだろうかという疑問。上手く纏まり過ぎている感じがして、誇張されたドラマに思えてしまった。同じ社会福祉をテーマにした「私はダニエルブレイク」の方がリアリティを感じた。街録チャンネルに元反社の人たちが度々登場するのだが、社会福祉に繋がらずもがいていたり、何度も犯罪に手を染めてしまう背景がリアルで、心に響く。
社会と自分と格闘し、三上が生きたその後があるのなら、そこは決して素晴らしき世界ではないよなと。もっとリアルに残酷な世界がそこにはあっただろう。
反社に落ち、更生するシステムが脆弱だからこそ、再犯率の高さがそれを物語る。もっといえば本来善良な気質を持った人間が、なぜ犯罪を犯し社会から溢れていくのかを掘り下げて、問題提起するような内容なら胸に迫っただろう。
役所さんの演技力に頼って底上げされているだけに、惜しい気がした。
