くり

プラットフォームのくりのレビュー・感想・評価

プラットフォーム(2019年製作の映画)
3.0
この設定を思い付いた時、作り手は嬉しかったんやろなあ。。。

資本主義による格差とか、搾取する側とされる側とか、分断とか、それを暗示するにはうってつけの設定。というかその仕組みを究極化した果てのような世界観だけど、、、

SFでもホラーでもサスペンスでも恋愛映画でも何でもいいけど、何か伝えたいテーマやメッセージがあるとして、物語やそこで語られる寓話を用いて伝えたいことを上手く浮かび上がらせるような映画が好きだ。お話自体が良くできていて面白く、且つ観たあとには不思議とテーマやメッセージがしっかりと心に残っているような映画が好きだ。
でも世の中にはいくら物語が面白くても響かない映画もあるし、逆にテーマやメッセージばかりが強調されて面白味の無い映画もある。

個人的にこの映画は後者のパターン。設定やセリフや展開がテーマやメッセージに直結し過ぎていて、90分間説教を受けているような気になってしまう。「ほら、この設定から資本主義の不条理さを感じなさい」っていう作り手の声が常に聞こえてくる感じ。

もちろん作品が纏うトーンはそんな説教じみたものではなく、シチュエーションスリラーとして成立はしている。所々で面白いと感じるシーンもあったし、この先どうなるのかというハラハラ感も無くはない。あと決してグロが嫌いなわけでもない。

でも、あくまで個人的には、これは自分が好きな映画ではない。
そしてもう二度とエスカルゴを食べようとは思わない(笑)
くり

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