しみしょう

プラットフォームのしみしょうのネタバレレビュー・内容・結末

プラットフォーム(2019年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

目的も詳細も聞かされず、とある施設に収容されたゴレン。
日に一度、上層から限られた食糧が降りてくるだけの過酷な環境の中で、命を繋ぐべく奔走する物語。

生きるために同室のパートナー・トリマカシを食したゴレンが、その後も度々トリマカシの幻影に干渉されるシーンを見て、
地面に落ちた果実のみを食する「果食主義(フルータリアン)」という思想をふと思い出した。
食された命は血となり肉となり、食した者の身体の中で生き続ける、という点では、
豚肉を食べることと人肉を食べることに、何の違いがあるんだろう...?

食糧は施設全員の命を繋ぐために最低限必要な量が用意されている、という状況、まるで資本主義社会のよう。
人間に連帯感を育むための施設なら、予め収容者に目的を提示したほうが効果的では?
とか、理解できなかった部分も多くモヤモヤは残るも、テーマとしてインパクトは大。
スリル要素メインかと思いきや、食や社会構造について向き合うきっかけをくれる、想像以上にメッセージ性の強い作品だった。

なお、私にはあの環境の中で生き延びる勇気もなければ、この映画の無修正版を観る勇気もありません。笑
しみしょう

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