プラットフォームの井葉のネタバレレビュー・内容・結末

　映画を観ているとたまに、映画って次世代の聖書たり得るんじゃないかと思う時がある。これなんかわかりやすい寓話的な映画だ。

　極限まで削り落とされたCUBE的なワンシュチュエーションで全く飽きさせない映画としての面白さがまず凄い！展開が上手いというかずっと揺さぶってくるから全く飽きない。ハードなゴア描写も常に緊張感を煽ってきて効果的だと思う。

　極限のワンシュチュエーションで描かれるのは人間の世界の縮図。それは無限の地獄。
　よく人の醜さを炙り出すみたいなテーマの映画はあるが、本作ほど説得力を持っている映画も少ないだろう。自分もあそこに放り込まれたなら同じような行動をとってしまうだろうという確信がある。地獄を変える方法は誰でもわかるくらい明白なのに誰もそれをしようとはしない。それこそが人間の醜さだ。

　子供を救う、そしてそれこそが道を開くというラストはまさに寓話的で美しく感動したが、あの殺伐とした世界をそのメッセージで変えられるのだろうか？
　希望を持ちたいが冷めた自分はそんなことでは変わらないとも思っている。