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プラットフォームのinuのレビュー・感想・評価

プラットフォーム(2019年製作の映画)
3.7
社会における階級をメタ的に描いた作品。階層を物理的なものとして描くことで可視化された手法は今までにありそうでなかった秀逸なものだと感じた。上から下に落ちることは容易でも下から這い上がることは基本的に不可能であることも社会のあり方自体を想定している。後半の展開で共産主義的な方法論の失敗を表現しつつ、主人公は自らを犠牲に「伝言」として子どもに行く末を託す。希望の持てるエンディングだが、若干作為的なところは否めない。階級を可視化する試みは非常に興味深い一方で、その手法の限界も見え隠れするところに映像表現の難しさを感じた。
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