このレビューはネタバレを含みます
構成などすごく惹き込まれた。
マーカスから聞かされる思い出だけがアレックスにとって自分が生きてきた指針で、その指針に一つでも嘘があれば今までの全てが信じらず「自分」が持てないまま生きていかなければならない。
マーカスからすれば、一つも思い出したくない過去で俺の気持ちをわかってくれという感情が強かったと思う。マーカスの事を思うとアレックスに無理して聞くなと言いたくなってしまう。
アレックスの立場で考えると、マーカスの立場で考えると、どちらの気持ちにもわかる部分があってなんとも複雑な感情になる。
この番組がきっかけでマーカスは真実を語ることになったけど、果たしてそれが良かったのかどうか。
世の中には知らないことで幸せでいられる事がたくさんある。
唯一思うことは、マーカスの最後に言った母親への言葉。俺は母が死ぬ前に言えなかった。というあのセリフ。あれをこのドキュメンタリーを見た虐待を受けた経験のある人が加害者に直接言ってやれる勇気を持てるきっかけになったらと思った。