MURANO

コンフィデンスマンJP プリンセス編のMURANOのレビュー・感想・評価

4.0
ドラマ版は未見ですが、劇場版『ロマンス編』が面白かったのでこの続編も鑑賞。

前作の香港から、今回はシンガポールやマレーシアが舞台になり、アジア圏を股にかけてスケールを感じさせる。

このまま世界各地を舞台に、土地ごとの個性を生かして広がると面白そう!

前作との比較で言うと、騙し合いという点では前作の方が江口洋介や三浦春馬との駆け引きをより楽しめ、「騙されたぁ!」という爽快感も強かった。

ただ、この『プリンセス編』の方が人間ドラマとしての醍醐味では勝ったと思います。

『クレイジー・リッチ』みたいなシンガポールの富豪一族(みんな日本語話せるのはご愛嬌)を登場させ、その中での遺産相続が争点に。

そこに偽の相続者として純粋無垢な少女を送り込むことで、金と権力にまつわる人間模様を面白くしている。

騙す女である長澤まさみの横にまったく人を騙さなそうな少女を置き、彼女が強くなっていく過程が面白かった。

そのコックリ役の関水渚って『町田くんの世界』でヒロインやってた新人の子だったか!と知って、配役も巧いなって思いました。

クライマックスは「騙されたぁ!」という感覚よりも、一族の当主は誰に?という点に注目していましたし、そこにこそドラマや葛藤があった。

冒頭から話の引き金となる「ミシェル・フウは誰か?」という疑問も、最終的にとてもニクい見せ方で種明かししてくれて、クスッと笑ってしまいましたね。

とても良いスパイスになってくれた三浦春馬と竹内結子の2人は今後のシリーズへの出演が叶わないのは残念…。

その2人の不在を感じさせないほどの良い脚本で続編も楽しめたらいいな、と願っております。
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