ひま

花束みたいな恋をしたのひまのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.2
2人を結びつけたものが2人を縛り付けるものになってしまう残酷さ。それを圧倒的な引用でリアリティを持たせてしまう見せ方が素晴らしい。
ワンオクじゃなくてきのこ帝国とか羊文学とかフレンズとかなんだよなあとか、宝石の国とゴールデンカムイを共有できる関係いいなあとか自分事として受け入れられる。
やはり白眉はファミレスのあのシーンでしょう。ゆっくり麦の正面に回り、絹から遠ざかっていくカメラを彼らの心が離れている様子と重ねた後のあれは絶対泣きますね。
2人で集めた本や漫画やをどちらが持っていくか話し合うシーンなんかあったらより地獄度合い上がってたかなとは思ったけどこのこれはこれで良い。

以下自己満の考えなので読み飛ばしてください。
序盤繰り返し現れる終電というモチーフ、中盤以降幾度か出てくる電車のシーン。
終電という決められた終わり≒大学卒業という決められた期限=就職という暗示?就活を進められない麦と絹→駅から遠い2人の新居
行き着く先が違う人達と同じ電車に乗っているだけで行先が同じだと錯覚してしまっているということか
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