マーボー

花束みたいな恋をしたのマーボーのネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

第一回イオンシネマフリーパス映画マラソン 三本槍

人気作の鬼滅、前情報的に地雷な三國志、予告で興味を持ったおとなの事情に挟まれ「せっかくだから」と鑑賞した今日一番のダークホース。

めっちゃ面白かった。

知り合ったきっかけが押井守だったり、金カムや宝石の国読んでたり、部屋にAKIRAがあったりと自分に近しいオタク的存在ってだけで親近感が沸いた。

冒頭のイヤホンのくだりからもう面白い。
自分とにたような価値観で、かつ交互にしゃべる編集も相まってふふっとなる。

それから押井さんのくだり、小説好きのくだり、部屋のAKIRA、ガスタンク。色んなところがで近しさを覚えた(ただし自分は小説はあまり読んでない)。

ムギが絵描きを目指しているのが来年から芸大に進学する自分とダブりさらに親近感。

そしてムギがその夢に敗れたのを観てどこか他人事じゃない感じがした。

今でこそキヌみたいに「やりたいことだけして生きていきたい(好きなことを仕事にしたい)」って思ってるけど、
大学に行ったら趣味や勉強、生活のために毎日のようにバイトをしなくちゃならないだろうと薄々思ってるから、もしかしたらムギのようになってしまうんじゃないか。そういう恐怖感すら覚えた。

脚本の坂本氏が「現代に生きる人々のためのラブストーリーを描きたい」と述べているように現代に生きる自分にここまで合致し、楽しめる作品はそうそう無いだろう。

たぶん現実にある漫画を出したり、ゲームをやらせたりしているのはその「現代日本感」を出したかったからなのだろう。
実際自分もミイラの展示を見に行ったことあるし、シン・ゴジラが公開時観に行ったし、パズドラやってる友達いたし、金カムは兄や姉が読んでるし、AKIRAは自室に全巻並んでるし。

こういう恋愛系って基本痴情のもつれでグダるか、起伏が無くつまらないかって感じだが、
本作は特別痴情のもつれもなく、ただ淡々と二人の日常を描いているだけ。なのにやっぱり親近感というか、自分に当てはめて考えやすいからか作品の世界にどっぷり浸っていく感じがする。

これはたぶんDVDレンタルとかじゃ見つけることは出来なかったし、例えレンタルしたとしても数年後には味わえないだろう「現実味」「リアルタイム感」がふんだんに盛り込まれている。

劇場で観て心から良かったと言える作品であった。


以後2回目の感想

2回目観てきましたよ。やっぱり面白い。
どうなるかわかってる分サクッと観れた。
靴やイヤホン、その他色々な小道具や仕草がより深く見えた。
これはDVDでもじっくり観てみたい。
お願いだから修正とかカットとかしないでくれ~

ムギが小説に挟んでた映画の半券、「映画仮面ライダーフォーゼ」って書いてあった気がした。