ユウコ

花束みたいな恋をしたのユウコのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.2
同じスニーカーを履いて自然と歩幅を合わせつつ歩いていた2人が、靴を履き替え、自分の歩幅で歩くようになった話。
見ている誰もが、恐ろしいほどの既視感と、これから同じような未来を辿る可能性への恐怖を感じたんじゃなかろうか。

家族になれば大丈夫という根拠のない自信も、2人が出会って仲を深めていく甘酸っぱい日々も、見ていて痛々しくもあり愛おしくもあった。

また見たいと思える恋愛映画だった。
友人の恋愛を始まりから終わりまでずっと聞いていたような、そういう感じ。
この映画のいい所は、どちらかの主観に偏るのではなくて、お互いの考えを細かく描いてくれたところ。
夢を語るだけで幸せだった大学生が、現実を見なくては生活できない社会人へと移ろう様子が、どれもこれも残酷なのに、ずっと見ていたかった。

予告編はキラキラした美男美女カップルを描いただけのように見えてしまうから、鼻で笑ってしまった人もいるだろうが、一度見てほしい。
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