けけ

花束みたいな恋をしたのけけのネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

恋は分け合うものじゃなくてそれぞれひとつ、それぞれ見てるものも考えてることも実は違うということを、分からないうちはパーティーの最中なんだろう。
二人のような恋をして、二人が選ばなかった結婚という道を選んだ今の自分は、幸せはもちろんあるけれども、別れたのともしかしたら同じくらいの寂しさ切なさもあって、改めて結婚は恋愛のゴールではないと思わされた。
麦が読む本がビジネス書になったり、パズドラしかできなくなったり、ゲームしてたらいいよいいよってイヤホンされた時のあの悲しさ。一緒にやることを期待してた自分のみじめさ。描かれることで、これまでスルーしてきたそんな気持ちがたくさんよみがえってどうしようかと思った。
しかし坂元裕二脚本の中には幸せな結婚生活を送る夫婦ってやつがあまり出てこない気がするな。
どうしても結婚というか、暮らしを共にするとなると話は別になるからか…。
別れても残るものはたくさんあって、それを花束みたいに、トイレットペーパーみたいに、抱えてそのまま生きていく。その姿が残ったラストからのエンドロールで嗚咽が出そうなほど泣いた。
けけ

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