恋の始まりのシーンがとてもよかった。でも途中、麦くんが就職したことによって二人の仲がこじれだし、現実に生きるようになった麦くんと夢の中で行き続ける絹ちゃんとの間でひたすらすれ違いが続く。会社でトラブルが起きている時に彼女から「近所のパン屋が潰れちゃった(泣)」とラインを送られてもなかなか悲しい気持ちに寄り添うのは難しいし、むしろちょっとイラッとしてしまいそう。そう思った私はもうすでに社会の波に飲み込まれているのかな。
中盤以降ずっと嫌な雰囲気のまま進むし、最後はやっぱり二人は別れを選ぶ。後味が悪くなりそうなところを、最後の最後のシーンに救われた。麦くんの良い笑顔でこの映画を終えてくれてよかった。