このレビューはネタバレを含みます
終盤の、恋愛感情がない方がうまくいく、幸せになれる、だから結婚しよう、っていう麦の訴えに対して、私の求めてる幸せはそういうものじゃないんだよ、恋愛感情がない方がなんて、曲がりなりにも結婚を請うシーンでどうして言えるんだろうっていう麦への諦めと、やっぱりそれが一般的なのかも、そういうものなのかもっていう自分の気持ちへの諦めで絶望的な絹。完全にすれ違ってる2人の前に昔の自分達にそっくりな2人組が現れることで、「あ、もう私達無理なんだ」って理解せざるを得なくなって、そこでようやく2人の気持ちが一致するっていう流れがなんとも皮肉なんだけれど、圧巻だった。
最後は笑顔でとか、じゃんけんに疑問を持つとか、電車に「揺られる」とか、そういう感性を持つ2人にとっては、切なかったりしんどかったりしたけど、それもまた味だよね人生だよね恋愛ってこういうものだから美しいよねって、きらきらした大切な思い出として捉えることができるから、花束みたいな恋とすることができるのかなって思った。