TadanobuOzawa

花束みたいな恋をしたのTadanobuOzawaのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.4
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 自分の恋人がこの映画で泣いたら、過去にあなたよりも想う人がいる証拠。
 
 この恋愛は、僕にも経験あります。
 おれ、元アングラだし。
 恋愛の超リアル現実物語です。
 
 学生やフリーターや若い恋人たちには、いつしか空気中の澱が絡みつきます。そんな有り様を描いています。最初は、絡みついていることに気づかないので、いつの間にか優しく出来なくなってしまいます。そうなったら、手遅れってわけで。
 
 それでも、なぜか、「もう、自分には恋人が出来ない。」としか考えられないから別れられない。
 
 まじめな高学歴の方も、中卒のヤンキーも、イオンにいるマイルドヤンキーも10代~20代から交際している相手と結婚する人は誰もが自分事として参考にして欲しい一本。
 
 好きで好きでしょうがない、ずっと一緒にいても楽しすぎる恋人同士もいつしか空気中の澱にまみれてしまうこともあるんだよ。
 
 40代や50代で結婚しても十分起こる可能性のあることなので恋愛ビギナーや承認欲求の強い人は必見です。
 
 花束は必ず枯れる。だからといって、ビビり過ぎるのもダメだけどさ。枯れない花束もあるからね。
 
 背中で手を振るシーンは、マジで近いことをやったことあって、昔を思い出しました。微笑ましい僕の過去です。
 
 この物語を切なく感じる人は恋愛ビギナー、自分には当てはまらないと思う人も恋愛ビギナー、良い思い出と感じる人はリア充orバカ。
 僕は最後者。
 
 映画は、のんびりしている雰囲気なのに飽きなかったです。事件があるわけでもないのにそんな風に見ることが出来たのは、やっぱ りテンポが良かったんだろうと思います。のんびり風アップテンポ。監督やスタッフの力が素晴らしいんだろうな。
 
 あ、でも、ちょっと、主人公の麦と絹が垢抜けない。セーター着すぎ。東京は、もっと、オシャレか個性的だと思う。
 そこに地方を取り込む商業臭さを感じた。