john

花束みたいな恋をしたのjohnのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.5
坂元裕二のオリジナル脚本。とある男女の5年間の話。キャスティングは今を代表する二人の俳優。
現代をうまく反映したリアリティのある時代背景やセリフに登場する固有名詞たちはさすがとしか言いようがない。舞台も東京の中でも大学生や小劇場を象徴するような下北沢とか吉祥寺といった京王線沿いの場所が選ばれていた。
ラストを少し見せた後に出会いが来るので、話の結末はわかっているのだが、あまりじめっとした感じで終わらない部分も良かった。特に中盤以降の展開が普通の脚本とは違うところで、男女というよりも二人の人間の「微妙なズレ」を観客に伝わるようにそれでも説明臭くならないように表現しているところが印象に残った。
映画でも坂元裕二の魅力は出ていたが、個人的にはドラマの方がセリフの分量が多くて、蛇足で面白いセリフがいっぱい出てくる方が好き。本当に一つの時代に生きる人に対する観察眼が鋭いし、登場人物をセリフで形づくっているのが素晴らしい。
john

john