花束を買った時に花屋さんから聞いた言葉で、花束は受け取った時が最大の輝きではなくて、一緒につぼみの花も混ぜておく。それらが同時期に満開になることもあれば次第に枯れる花びらや広がる花もある。
じゃあ、枯れはじめてどこまでが花束と言えるのだろうか。
それをむぎときぬの恋の移ろいになぞらえているのかなと思った。
むぎときぬは、それぞれの綺麗な花という名の共通点が多く、運命的に花束をもらったかのように恋がはじまり、一緒に築いたつぼみもあれば少しずつ枯れていく花もあった。
それが次第に綺麗な思い出の花束に見えなくなっちゃって、捨てちゃったのが絹で、無理矢理ドライフラワーにしようと思ったのが麦。
首尾一貫してタイトル通りの物語が紡がれていた素敵な作品でした。